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地方銀行のクレジットカードは20年前のサービス水準 積極的な利用がおすすめできない理由

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地方銀行のクレジットカードは20年前のサービス水準 積極的な利用がおすすめできない理由

筆者は常に、10枚以上のクレジットカードを入れ替えながら使っています。

こうした生活の中で1度だけ地方銀行系クレジットカードを利用したことがあります。

この際はわざわざ銀行口座も作りました。

県の指定金融機関であり、名の知られた銀行ですが、サービスはまったく物足りないものでした。

この銀行だけでなく、地銀系クレジットカードのサービスは20年前の水準で止まっている印象です。

今後もサービス水準が上がることはなさそうです。

地銀系カードも場合によって必要ですが、上手な付き合い方を考えてみます。

地方銀行系クレジットカードのいまを把握しよう

地銀系クレカとは

地方銀行系クレジットカードのサービスは、驚くほど横並びです。

共通する特徴から確認します。

地銀系カードの特徴

  • カードブランドは、JCB、VISA、DC(Mastercard)のどれか

  • 上記以外、交通系IC一体型のものもある

  • JCBオリジナルシリーズ、三井住友カード、三菱UFJニコス発行のDCカードのそれぞれに準じるサービスとなっている(ただしいずれのカード会社も本体発行のカードサービスを大幅に進化させたため、地銀系は取り残されている)

  • 年会費設定のあるカードが多く、さらに年会費無料にするハードルが高め

  • キャッシュカード、デビットカード一体型も多い

  • ポイント還元率はおおむね0.5%(キャッシュバックや共通ポイント交換等、使いやすい利用法に関して言うと、0.3%~0.4%程度の場合も)

  • ゴールドカードは大部分、年会費1万1,000円

  • 地元のお店で提示すると受けられる特典がある

  • Apple Pay、Google Pay、電子マネーチャージ等への対応は、JCB、三井住友VISA、DCと同じ

  • キャッシング枠が、利用者の希望によらずに審査で付与される(銀行法に基づくため)

還元率が低いのは、ベースにしている都市銀行系カードの数字もまた低いからです。

なのに、初年度以外の年会費を無料にしようとすると、おおむね10万円以上の利用実績が必要となっています。

その後、三井住友カードやJCBオリジナルシリーズなど、機能が大幅に進化しました。

地銀系カードだけが、昔のまま取り残されているのです。

地銀系カードは生きた化石

地銀系カードは、20年前に主流だった都市銀行系のカードをベースに作られています。

その本体では、すでに発行をやめています

三菱UFJニコスの「DCカード」だけ現存していますが、新規申込みは事実上できません。

三井住友カードなど、スマホタッチ決済で7.0%以上の還元となる特約店を多く持ち、カード業界でも頭ひとつ抜けたサービスを提供しています。

しかし地銀カードのVISAは、ひと昔前の「三井住友VISAクラシック」カードの水準にとどまっています。

ゴールドも、本体は年会費無料になる「ゴールド(NL)」が主流になっているのに、地銀では古いタイプのゴールドと同程度のカードしかありません。

JCBも、本体発行はポイント倍の「JCB CARD W」であり、あるいは新たに発行開始された「JCB CARD S」で、いずれも還元率や特約店を増やしています。

ポイント倍のJCBカードWは人気(画像提供元:JCB)

地銀系カードの役立て方

現在、地銀系カードを厚めに利用する理由はほとんどありません。

地元の特約店も、ポイントが大幅にアップするわけでもなく、銀行がアピールしているメリットの大部分は無意味です。

それでも、本体発行のカードでなく、地銀系を持つ理由が多少あります。

  • クレジットカードがあることで、キャッシュカードのATM利用手数料が無料になる

  • 入会キャンペーンは本体発行のカードとおおむね同一で、高リターンの場合も

地元の銀行のATMはよく使うわけで、手数料無料を確保できるのは助かります。

とはいえ、カード年会費を毎年無料で維持するためには、毎年10万円程度使う必要はあります。

携帯電話や、地域電力・ガスの引落し等で翌年手数料無料になるカードもあります。

この場合は多少負担が軽いでしょう。

筆者もポイントサイトで得た地銀系のJCBクレジットカードを利用し、「ポイントサイト報酬」と「入会キャンペーン報酬」を得ました。

銀行ATMは近所になかったものの、セブン銀行ATMが無料で使えたので、入金には困りませんでした。

その後、JCBオリジナルシリーズと同一のリボ払いキャンペーンで特典を得た後、解約しています。

解約する際、銀行の支店に行かねばならず非常に面倒でした。

地方でも、三井住友Oliveがおすすめ

地元の銀行のお付き合いも大事です。

オートローンや住宅ローンでお世話になることもあるでしょう。

ただ、純粋にお得を追求したいなら、都市銀行のない地方でも「三井住友Olive」をメインバンク、メインカードにすることをおすすめします。

キャッシュカード一体型のクレジットカードです。前述のとおり、クレジットカードのメリットは計り知れません。

全国どこでもおなじみ、セブン-イレブン、ローソン、マクドナルド、モスバーガーやファミレスで有利です。

銀行としても、他銀行への振込みが月3回まで無料です。

給与を受け取り、クレジットカードの支払いをするメイン口座にも使えます。

ただし地銀系クレカがないと、三井住友銀行から資金移動したお金を地元のATMで引き出す場合、手数料が掛かってしまうこともあるでしょう。

ただ年間を通して考えれば、必要経費と考えられるように思います。

また、三井住友銀行から直接出金する場合も(サービス選択により)コンビニATM出金を月1回無料にできます。

ATM手数料が無料になるのはメリットだが…

地銀系クレジットカードに価値は乏しい

現在の地銀系クレジットカードを気にせず使っているのなら、キャッシュレス界ではかなり損をしています。

PayPayのような、全国どこでも平等に役立つ決済がある現在ではなおさらです。

地銀系カードで得られるATM無料は特典には違いないものの、損得を言えばなるべく使わないのが無難でしょう。

《沼島 まさし》
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沼島 まさし

執筆者:金融系ライター 沼島 まさし 沼島 まさし

実践系キャッシュレスライター。 モットーは「経済圏に囲い込まれるな」「キャンペーンのためなら火の中水の中」 QRコード決済の地域還元のためなら、都内のあちこちに出没します。 たまにうっかり失敗しますが、失敗談もネタにしています。 寄稿者にメッセージを送る

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